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提供:中外製薬株式会社

最終更新日2023/01/13

「NMOSDと呼吸器感染症」
「感染症」に気をつけましょう
- NMOSDのお薬によっては、感染症にかかりやすい可能性があります。
- NMOSDのお薬によっては、感染症にかかっても症状がわかりにくく、感染症の発見が遅れてしまう可能性があります。
- 風邪やインフルエンザなどの感染症が引き金となり、NMOSDが発症または再発したという報告*があります。
NMOSDでは感染症にかかりやすくなっていたり、感染症によって再発がみられたりすることが知られています。あまり神経質になり過ぎる必要はありませんが、「感染症予防」を意識するとよいでしょう。
その上で、感染症にかかった時の症状(感染症のサイン)に注意を払い、少しでも疑わしい症状や体の調子が何かおかしいと感じた時はすぐに主治医に相談してください。
- *
- 特定非営利活動法人MSキャビン. 視神経脊髄炎完全ブック第1版. 2018, p 114-115.
NMOSDの方に
気をつけていただきたい主な感染症

肺炎は、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などをこじらせたりすることで、肺が炎症を起こす病気です。呼吸器の感染症の中でも特に気をつける必要のある疾患です。
肺炎の原因は細菌の場合が多く、早い時期に殺菌するお薬(抗生物質)を投与し適切な治療を行えば、重症化せずに治療ができます。
NMOSDで使用しているお薬によっては感染症の症状などがわかりにくくなってしまい、知らない間に肺炎が悪化してしまう可能性もあります。以下のような症状が現れたら「軽い風邪だ」と思いこまずに、早めに主治医に相談しましょう。
- 症状
- 咳、たん、息切れ、胸の痛み、発熱など。
疲れやすい、発汗、頭痛、吐き気、筋肉の痛み、お腹の痛みや下痢などがみられることもあります。

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで起こります。
インフルエンザには有効なお薬がありますが、症状が出てから48時間以内に服用を開始しなければ効果はないといわれています。インフルエンザにかかると突然の高熱や全身のだるさ、寒気などの症状が出ますが、NMOSDで服用しているお薬によってはこれらの症状がわかりにくいことがあります。そのため、熱が高くなくても、周囲でインフルエンザが流行している、いつもよりも熱っぽいかもしれないと感じたら主治医に相談してください。
- 症状
- 突然の発熱(通常 38℃以上の高熱)、頭痛、全身のだるさ、筋肉痛、関節痛など。
発熱は通常2~3日続き、1週間程度で回復しますが、時に重症となり肺炎や脳症などの合併症を引き起こす場合もあります。
肺炎の中でも最も多いとされている「肺炎球菌」が原因の肺炎には、“肺炎球菌ワクチン”があります。また、例年、主に冬に流行するインフルエンザには “インフルエンザワクチン”があります。その他にも新型コロナワクチンなど、さまざまな感染症に対するワクチンがあります。ワクチンを接種すると感染症にかかりにくくなったり、かかっても症状が軽く済んだりすることが期待できますが、NMOSD患者さんは接種に注意が必要な場合もあります。ワクチン接種については主治医にご相談ください。
感染症の予防と対策