最終更新日2026/09/10

難病法による医療費助成

視神経脊髄炎スペクトラム障害(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder、以下「NMOSD」)と診断された方は、難病法による医療費助成が受けられる可能性があります。

難病法による医療費助成とは

「難病の患者に対する医療等に関する法律」(通称、難病法)にもとづいて、厚生労働大臣が指定する指定難病の患者に医療費を助成する制度です。
NMOSDは指定難病です。要件を満たした場合、医療費助成が受けられます。

●医療費助成の要件

難病法による医療費助成を受けるには、指定難病と診断され、さらに症状の程度が疾患ごとの重症度の基準に該当している必要があります。
ただし、症状が軽症で重症度の基準に該当しない場合でも、高度な医療の継続が必要な方は「軽症高額該当」として特例的に助成が受けられます。また、助成を受けてもなお医療費の負担が重い方は「高額かつ長期」として助成が受けられ、負担が軽減されます。

●医療費助成までの流れ

医療費助成までの流れを表した図
表記内容開く

Check Point

重症度基準に該当

重症度基準に該当する方は申請により医療費助成が受けられます

重症度基準に該当する方が申請できる月を表した図。重症度基準に該当する方は助成を申請できる。50,000円を超える月が6回目に該当した月から「高額かつ長期」として申請できる。
軽症高額該当

重症度基準に該当しない場合でも、医療費助成が受けられる特例があります
医療費総額(10割分)が33,330円を超える月が、申請する月以前の12か月以内※に3か月以上ある場合、「軽症高額該当」として医療費助成が受けられます。

※指定難病の発症月(指定難病を発症したと難病指定医が認めた月)が、申請月から起算して12か月前の月より後の場合は、当該発症月から申請月までの期間

軽症高額該当が申請できる月を表した図。33,330円を超える月が3回目に該当した月から「軽症高額該当」として申請できる。軽症高額の認定後、軽症高額該当の認定後、50,000円を超える月が6回目に該当した月から「高額かつ長期」として申請できる。
高額かつ長期

医療費助成の認定後も、自己負担額が軽減される特例があります
所得区分が一般所得、上位所得の方は、医療費助成の支給認定日以降、医療費総額(10割分)が50,000円を超える月が、申請する月以前の12か月以内に6か月以上ある場合※、「高額かつ長期」としてさらに負担上限額が軽減されます。

※小児慢性特定疾病から指定難病の医療費助成制度に移行された方は、指定難病の支給認定日以前の小児慢性特定疾病にかかる月ごとの医療費総額も算定の対象となります。

参考資料:難病情報センターホームページ(閲覧日:2026/07/15)(別ウィンドウで開きます)

●医療費総額とは?

医療費総額は、治療などに要した医療費の総額(10割分)です。自己負担分のことではありません。健康保険や国民健康保険などに加入の場合、70歳未満の方(未就学児を除く)の自己負担割合は3割ですので、医療費総額が33,330円の場合、自己負担は10,000円になります。
なお、「軽症高額該当」「高額かつ長期」の要件である医療費総額は、指定難病にかかる医療費の総額ですのでご注意ください。

支給認定後の自己負担額

医療費助成の認定を受けると、難病治療にかかる医療費の負担割合は2割になります。ただし、1か月の自己負担額が世帯の所得に応じた下表の上限額を超えた場合は、上限額までになります。

●自己負担上限額(月額)

(単位:円)

所得区分
()内の数字は、夫婦2人世帯の場合における年収の目安
自己負担上限額(外来+入院)(患者負担割合:2割)
一般 高額かつ長期※ 人工呼吸器等装着者
生活保護 0 0 0
低所得Ⅰ 市町村民税
非課税(世帯)
本人年収~82.65万円 2,500 2,500 1,000
低所得Ⅱ 本人年収82.65万円超~ 5,000 5,000
一般所得Ⅰ 市町村民税課税以上7.1万円未満
(約160万円~約370万円)
10,000 5,000
一般所得Ⅱ 市町村民税7.1万円以上25.1万円未満
(約370万円~約810万円)
20,000 10,000
上位所得 市町村民税25.1万円以上
(約810万円~)
30,000 20,000
入院時の食費 全額自己負担

※「高額かつ長期」については、上記のCheck Pointセクションにある「高額かつ長期」をご参照ください。
出典:難病情報センターホームページ(閲覧日:2026/07/15)(別ウィンドウで開きます)を一部改変

●世帯の単位について

所得区分を判定するときの世帯は、住民票上の世帯ではなく、同じ医療保険に加入している人同士(健康保険の場合は被保険者と被扶養者)を1世帯と数えます。

世帯の単位のイメージ図

●対象となる所得について

健康保険などの被用者保険に加入の場合…被保険者の所得です。
国民健康保険、後期高齢者医療に加入の場合…被保険者全員の所得です。

医療保険の給付と難病法による医療費助成について
医療保険の高額療養費制度で負担を軽減

通常、病院等で受けた医療にかかる費用の7割(就学児~70歳未満の場合)は医療保険から支給され、残る3割の自己負担が高額になる場合は、さらに高額療養費が支給されます。難病法による医療費の助成は、これらの医療保険からの給付を受けたあとの自己負担分(指定難病に係る部分に限ります)に対して行われます。
高額療養費制度では、1か月の医療機関ごとの窓口での自己負担※1が下表の月額上限額を超えると、超えた分が高額療養費として医療保険から医療機関へ自動的に支払われますので、窓口での支払いを上限額までに抑えることができます※2、3。難病法による医療費助成を受けられる方は、医療費助成の自己負担上限額までさらに窓口負担が軽減されます。

※1 自己負担は、1日から末日までの1か月単位で医療機関ごと(同じ医療機関でも入院と外来、医科と歯科は別々)に計算します。入院時の食費や、差額ベッド代、先進医療など保険のきかない部分にかかる費用は対象外です。
※2 住民税非課税世帯の場合は、事前に、低所得者であることを加入の健康保険等に申請する必要があります。
※3 1か月に窓口で支払った自己負担を世帯で合算して上限額を超えた場合は、申請により超えた分が後から高額療養費として支給されます(下記、世帯合算参照)。また、令和8年8月からは年間上限が設けられ、1年間の自己負担の合計が年間上限を超えた場合も、超えた分が高額療養費として支給されます(下記、年間上限参照)。

難病医療費助成の有無による自己負担額の違いを示す図

高額療養費の自己負担上限額(70歳未満の方の場合・令和8年8月~令和9年7月の額)

所得区分 月額上限 多数回該当※1 年間上限
年収約1,160万円~
標準報酬月額83万円以上
270,300円+(医療費-901,000円)×1% 140,100円 1,680,000円
年収約770万円~約1,160万円
標準報酬月額53万円~79万円
179,100円+(医療費-597,000円)×1% 93,000円 1,110,000円
年収約370万円~約770万円
標準報酬月額28万円~50万円
85,800円+(医療費-286,000円)×1% 44,400円 530,000円
年収~約370万円
標準報酬月額26万円以下
61,500円 44,400円 530,000円※2
住民税非課税者 36,900円 24,600円 290,000円

※1 過去12か月以内に4回以上自己負担が月額上限に達した場合は、4回目から上限額が下がります。
※2 年収約200万円未満の所得区分に該当することが確認できた方は年間上限41万円が適用され、令和9年8月以降に償還払いされます。
出典:厚生労働省ホームページ(閲覧日:2026/07/15)(PDFで開きます)を一部改変

年単位の上限額も設けられています(年間上限・令和8年8月新設)

年間上限とは、年単位の医療費の自己負担額に上限を設ける仕組みです。自己負担額の合計が年間の上限額に達した場合、それ以上の医療費については、医療保険から還付を受けることができます(月額上限に達していなくても、1年間の自己負担の合計額が年間上限に達していれば適用されます)。ここでいう「年間」とは、毎年8月1日から翌年7月31日までの期間を指します。

自己負担を世帯で合算できます

同じ月に、1人で複数の医療機関を受診したり、世帯(世帯の単位は世帯の単位についてを参照)で複数の方が受診したなどの場合は、世帯の自己負担を合算し、その額が上限額を超えた場合も高額療養費が支給されます(加入の健康保険等に申請が必要です)。ただし、合算できる自己負担は70歳未満の場合、同じ月において1つの医療機関ごとに21,000円以上のものに限ります。

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