最終更新日2020/07/01

難病法による医療費助成

視神経脊髄炎スペクトラム障害(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder、以下「NMOSD」)と診断された方は、難病法による医療費助成が受けられる可能性があります。

難病法による医療費助成とは

「難病の患者に対する医療等に関する法律」(通称、難病法)にもとづいて、厚生労働大臣が指定する指定難病の患者に医療費を助成する制度です。
NMOSDは指定難病です。要件を満たした場合、医療費助成が受けられます。

●医療費助成の種類

医療費の助成には「一般」「軽症高額」「高額かつ長期」の3種類があります。
原則として病状の程度が重症に該当する場合に、申請により「一般」として助成が受けられます。
ただし、重症に該当しない方でも高額な医療の継続が必要な場合は、特例として「軽症高額」の助成が受けられます。さらに、「一般」「軽症高額」の助成を受けてもなお医療費の負担が重い方は、負担を軽減する「高額かつ長期」の助成が受けられます。

●医療費助成までの流れ

医療費助成までの流れを表した図

出典:特定非営利活動法人MSキャビンホームページを一部改変

Check Point

一般

「重症」の基準に当てはまる方は、「一般」として医療費助成が受けられます

軽症高額

「重症」の基準に当てはまらない場合でも、医療費助成が受けられる特例があります
医療費総額(10割分)が33,330円を超える月が、申請する月以前の12か月以内に3か月以上ある場合、「軽症高額」として医療費助成が受けられます。

軽症⾼額が申請できる月を表した図

参考資料:厚生労働省ホームページ

高額かつ長期

医療費助成の認定後も、自己負担額が軽減される特例があります
所得区分が一般所得、上位所得の方は、医療費助成の支給認定を受けた月(認定日の属する月)以降、医療費総額(10割分)が50,000円を超える月が、申請する月以前の12か月以内に6か月以上ある場合、「高額かつ長期」としてさらに負担上限額が軽減されます。

※都道府県、指定都市によっては「認定日以降」としている場合があります。

⾼額かつ⻑期が申請できる月を表した図

参考資料:厚生労働省ホームページ

●医療費総額とは?

医療費総額は、治療などに要した医療費の総額(10割分)です。自己負担分のことではありません。健康保険や国民健康保険などに加入の場合、70歳未満の方(未就学児を除く)の自己負担割合は3割ですので、医療費総額が33,330円の場合、自己負担は10,000円になります。
なお、「軽症高額」「高額かつ長期」の要件である医療費総額は、指定難病にかかる医療費の総額ですのでご注意ください。

支給認定後の自己負担額

医療費助成の認定を受けると、難病治療にかかる医療費の負担割合は2割になります。ただし、1か月の自己負担額が世帯の所得に応じた下表の上限額を超えた場合は、上限額までになります。

●自己負担上限額(月額)

(単位:円)

所得区分
()内の数字は、夫婦2人世帯の場合における年収の目安
自己負担上限額(外来+入院)(患者負担割合:2割)
一般軽症高額※ 高額かつ長期※ 人工呼吸器等装着者
生活保護 0 0 0
低所得Ⅰ 市町村民税
非課税(世帯)
本人年収~80万円 2,500 2,500 1,000
低所得Ⅱ 本人年収80万円超~ 5,000 5,000
一般所得Ⅰ 市町村民税課税以上7.1万円未満
(約160万円~約370万円)
10,000 5,000
一般所得Ⅱ 市町村民税7.1万円以上25.1万円未満
(約370万円~約810万円)
20,000 10,000
上位所得 市町村民税25.1万円以上
(約810万円~)
30,000 20,000
入院時の食費 全額自己負担

※「軽症高額」「高額かつ長期」については、上をご参照ください。
出典:厚生労働省ホームページ

●世帯の単位について

所得区分を判定するときの世帯は、住民票上の世帯ではなく、同じ医療保険に加入している人同士(健康保険の場合は被保険者と被扶養者)を1世帯と数えます。

世帯の単位のイメージ図

●対象となる所得について

健康保険などの被用者保険に加入の場合…被保険者の所得です。
国民健康保険、後期高齢者医療に加入の場合…被保険者全員の所得です。

難病医療費助成が受けられるまでの間、医療費が高額になるときは

医療保険の高額療養費制度で負担を軽減

医療費の自己負担が高額になるときは、病院や薬局の窓口に「限度額適用認定証」を提示すると、1か月の医療機関ごとの窓口支払いが下表の上限額までに抑えられます。上限額を超えた分は、医療保険から「高額療養費」として医療機関へ支払われます。
「限度額適用認定証」は加入の健康保険や国民健康保険などに申請して交付してもらいます。

※住民税非課税世帯の方は、限度額適用認定証ではなく「限度額適用・標準負担額減額認定証」を提示します。
※限度額適用認定証等を提示しない場合は、病院や薬局の窓口で自己負担分(就学児~70歳未満の方は医療費の3割)を全額支払い、加入の医療保険に高額療養費を請求して還付を受けます。

上限額のイメージ図

ご注意
●自己負担は医療機関ごとに(同じ医療機関でも入院と外来は別々に)1日から末日までの1か月単位で計算します。院外処方により薬局で支払った自己負担は、処方箋を交付した医療機関の自己負担分に合算します。
●入院時の食費や、差額ベッド代、先進医療など保険のきかない部分にかかる費用は自己負担の対象外です。

高額療養費の自己負担上限額(70歳未満の方の場合)

所得区分 自己負担上限額 4回目から※
年収約1,160万円~ 252,600円+(医療費-842,000円)×1% 140,100円
年収約770~約1,160万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1% 93,000円
年収約370~約770万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円
~年収約370万円 57,600円 44,400円
住民税非課税者 35,400円 24,600円

※過去12か月以内に4回以上自己負担が上限額に達した場合は、4回目から上限額が下がります。
出典:厚生労働省ホームページを一部改変

●計算例

1か月の医療費総額160万円の場合の負担上限額(3割負担だと48万円)

Aさん
年収800万円
所得区分②
1か月の負担上限額は177,820円
計算式
167,400円+(1,600,000円-558,000円)×1%
Bさん
年収500万円
所得区分③
1か月の負担上限額は93,430円
計算式
80,100円+(1,600,000円-267,000円)×1%

●自己負担を世帯で合算できます

1つの医療機関での自己負担は上限額を超えなくても、同じ月の別の医療機関での自己負担や、同じ世帯(世帯の単位は世帯の単位についてを参照)の自己負担を合算して上限額を超えた場合は、高額療養費が支給されます。ただし、合算できる自己負担は70歳未満の場合、21,000円以上のものに限ります。

●計算例

世帯合算の計算例(Cさん(所得区分④、上限額57,600円)の場合)

世帯合算の計算例のイメージ図