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最終更新日2020/09/29

Vol.2NMOSDではどのような治療が行われるの?急性期治療、再発予防治療、対症療法について

監修:
医療法人セレス さっぽろ神経内科病院
理事長・院長 深澤俊行 先生

第1回
「NMOSDの急性期治療、再発予防治療、対症療法」

NMOSDで行われる3種類の治療とその目的

NMOSDの治療には、急性期に行う「急性期治療」、その後の寛解期に行う「再発予防治療」、そして後遺症がある場合に行う「対症療法」の3種類があります(図)。それぞれの治療の目的を理解して、前向きに取り組んでいきましょう。

急性期(初発時や再発時に症状が現れ、刻々と変化していく期間)1.急性期治療:後遺症が出ないようにするため、炎症を早く鎮める必要がある。治療はできるだけ早く開始。寛解期(急性期の治療を終え、症状が落ち着いている時期)2.再発予防治療:再発が起こらないように予防するための治療で、症状がなくても主治医と相談して治療を続ける。3.対症療法:初発や再発により後遺症が残った場合、それぞれの後遺症(症状や不調)を和らげたり、なくしたりする治療。対症療法では、薬物治療、リハビリテーションや装具・補装具などの利用も検討。
図 NMOSDの治療

① 急性期治療

急性期治療は、初めて発症したとき(初発)や再発したときの強い症状が現れる急性期に行う治療です。患者さんの状況や治療内容によっては、入院治療が必要になります。炎症を早く鎮めて、後遺症が出ないようにするため、できるだけ早く治療を始め、集中的に行うことが望まれます。

この治療を受けている時期の
日々の過ごし方

この時期はまずきちんと治療を受けることが重要です。不安な気持ちもあると思いますので、ゆっくり過ごしましょう。この時期は絶対安静ではありませんが、患者さんそれぞれで症状が異なるので、ご自身の過ごし方については遠慮なく主治医や看護師に相談してください。

② 再発予防治療

急性期治療で症状が落ち着いてきたら、治療を継続していく「寛解期」がスタートします。寛解期における「再発予防治療」は、その時点で出ている症状を治すための治療ではなく、次の再発が起こらないよう予防するための治療です。NMOSDは寛解期に病気が進行することはまれで、適切な治療により再発を防ぐことができれば、良好な長期予後が期待できるといわれています1)。主治医と相談しながら、ご自分の病状に合った治療を行いましょう。

この治療を受けている時期の
日々の過ごし方

症状がないにもかかわらず治療を続けることに違和感を覚える方もおられるかもしれません。しかし、再発したときの症状は重い場合が多く、1度の再発で失明や車いす生活になってしまうこともあるため、現在の生活の質を長く維持していくために、再発予防治療はとても重要です。困ったことや不安に感じることがあれば、主治医や看護師に遠慮なくご相談ください。

③ 対症療法

寛解期には、上記②の再発予防治療と同時に、初発や再発によって痛みやしびれ感、疲労・倦怠感などの後遺症が残ってしまった方に対して対症療法も行います。対症療法は病気の原因を取り除くのではなく、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりするために行う治療法です。薬物治療のほか、リハビリテーションや装具・補装具などの利用も検討します。

この治療を受けている時期の
日々の過ごし方

再発予防治療とともに対症療法で飲む薬が増えたり、気になる症状との向き合い方にストレスを感じたりするかもしれません。ストレスに強い心とからだを作るには、生活リズムを規則的にし、無理のない生活を毎日続けていくということが基本となります。また、物事の考え方も「今日は〇〇ができなかった」といったダメな点ばかりに目を向けるのではなく、些細なことでもできたことに目を向けてみてください。見方や考え方をちょっと変えるだけで、気持ちが楽になりますよ。

第1回「NMOSDの急性期治療、再発予防治療、対症療法」のまとめ
  • 急性期治療は早く始めて集中的に行う
  • 再発予防治療では再発が起こらないようにするため、継続的に治療を行う
  • 対症療法は後遺症に対して行う治療法で、薬物治療の他にリハビリテーションなどもある
1)
日本神経学会. 多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン 2017. 医学書院. 2017, p 125.