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最終更新日2024/03/25
Vol.10患者さんと医療者の新たなコミュニケーション「SDM」について
埼玉医科大学総合医療センター 脳神経内科 客員教授
日本赤十字社 八戸赤十字病院 MS/NMOSD 専門外来担当
医療法人北祐会 北海道脳神経内科病院 顧問
市立根室病院 内科・脳神経内科 医長
深浦彦彰 先生
第1回
「あなたの治療方針を決めるのは誰ですか?」
あなたの治療方針を
決めるのは誰ですか?
自分の病気のことを、わざわざ調べたり学んだりしたくない、
そんな時間や手間ならもっと他のことに使いたい。
起こるかもしれない副作用の心配はしたくないし、知りたくもない。
どうせ、素人の私が調べたって、たかが知れているし。
将来のことなんて気にしている時間もお金もないよ、今のことで手一杯だ。
今の主治医に全幅の信頼を置いており、今後何が起きても全く動じることはない。
そう考えているのなら、ここから先は読み飛ばしてください。貴重な時間を節約しましょう。
もし、自分の病気や治療について、少しでも心に引っかかることがあるなら、以下に目を通してみるのも悪くはないでしょう。
ここには、多くの患者さんが心の中で抱いている「もやもやとした気になること」が書かれています。
- 同年代の疾患のない人たちと比較して今の自分の状態はどうなの?
- 今から10、20年後の自分の状態はどうなっているのかなあ?
- 今使用している治療方法の効果や副作用って何だったっけ?
- 投与方法や投与頻度は薬ごとに違うのかしら?
- 血液検査やMRI検査などモニタリングの頻度や回数は事前に教えてくれるの?
- もしかして将来、治療方法の変更が必要になるの? どんなときに?
- そもそも治療って、いつまで必要なのかしら?
- 疑問点を書き出してみましょう。
書くことで、自分と自分の病気のことで、わかっていること、わからないことが明らかになります。
本当に自分が知りたいことも炙り出されてきます。
- 知りたいこと、疑問なことの中から3つだけ選んで次回の診察日、主治医に渡しましょう。診察券と一緒に事前に提出を。
- 自分のライフスタイルや環境と、より相性の良い治療選択肢について、主治医と一緒にどれが良いのかを決めていくのも悪くはありません。
-
患者さんと主治医が一緒に治療方針を決定していくことを、Shared Decision Making:SDM
と呼ぶ人もいます。
SDMを行う時、患者さんと主治医のコミュニケーションをサポートする正直ノートというものがあります。
もし良かったら、お使いください。
自分の治療方針の決定に、
あなたも関わってみませんか…
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- 第1回「あなたの治療方針を決めるのは誰ですか?」
- 第2回「医療者と一緒に治療方針を見つけていこう」