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最終更新日2023/01/13

Vol.6医療・福祉制度、どんな制度が利用できるの?NMOSD患者さんが利用できる制度・サービス

監修:
群馬県難病相談支援センター
難病相談支援員 川尻洋美 先生

第1回
「NMOSDと診断された患者さんが活用できる医療・福祉制度」

どんな制度があって、相談にはどこへ行けばいいのでしょう?

日本にはさまざまな医療・福祉制度があります。しかし、ご自分の現在の悩みを解消するにはどの制度を利用すればいいのでしょうか。

ここでは、NMOSDの発症から再発予防治療/対症療法を続けている患者さんのお悩みに応える制度を、簡単な図式にしてご紹介いたします(図)。ご自分のNMOSDの治療状況や医療保障系・社会保障系などのカテゴリーから、ご自分に必要な制度やサービスをご確認ください。

なお、ご紹介する制度やサービスには、症状や障害の程度など一定の条件があるものがあります。詳細は主治医にご相談ください。

注1)
ここではすべての制度が網羅されているわけではございません。詳しくは医療ソーシャルワーカーまたはお住まいの自治体の担当窓口でお尋ねください。
注2)
ここでご紹介している情報は2022年10月時点のものです。
図 NMOSD患者さんのお悩み別
 医療・福祉制度

※「医療保障」「福祉」「社会保障」「その他」のタブをクリックしていただくと、各制度の詳細をご確認いただけます。

  • 医療保障
  • 福祉
  • 社会保障
  • その他
  • 受診・診断急性期治療
    ひと月の医療費が高額になったら
    高額療養費制度

    被保険者ごとの所得による上限を超えた医療費の自己負担分が払い戻される。

    申請先:健康保険や国民健康保険など

    ポイント解説

    同一月(1日から月末まで)にかかった医療費が高額になるとわかっていれば、事前に健康保険に申請して「限度額適用認定証」の交付を受けましょう。これを病院の窓口で提示すれば、自己負担の上限額を超えた支払いはありません。安心して治療が続けられるように、「限度額適用認定証」を入手しておきましょう。

    高額療養費は、複数の医療機関で支払ったものを足して上限を超えると払い戻されます。同じ健康保険に加入していたら家族の医療費も足すことができます。
    NMOSDと診断されたら
    特定医療費(指定難病)助成制度(難病法)

    医療費の自己負担が2割になる。ただし、所得に応じて自己負担の上限は異なる。処方薬も対象。

    申請先:都道府県中核市の保健所など

    ポイント解説

    助成の対象となるのは申請をした日からです。医師の診断書など必要書類をそろえるのに時間がかかる場合がありますので、NMOSDと診断されたら早めに申請の手続きをしましょう。

    申請後に審査があり、承認されてから受給者証が届くまで数ヵ月かかりますが、その間は高額療養費制度を利用します。
    申請日までさかのぼって自己負担の上限を超えた金額は払い戻されます。
    再発予防治療/対症療法
    重度の障害があり医療費の助成を受けたい
    重度心身障害者医療費助成制度

    NMOSDによる障害の程度によっては身体障害者手帳が交付される。等級1~2級では医療費が助成される(自治体によっては3級も対象)。

    申請先:市町村の障害福祉担当窓口

  • 再発予防治療/対症療法
    福祉サービスを使いたい
    障害者総合支援法と介護保険法

    居宅介護(ホームヘルプ)、同行援護(視力障害者の外出時の介護)や訪問介護・看護・入浴、身体介護、通所介護、リハビリ、福祉用具・補装具の支給やレンタルなど。

    申請先:市町村の担当窓口

    ポイント解説

    NMOSDの患者さんが家でヘルパーによる介護、歩行補助つえや車いすなどを必要とする場合、障害者手帳を持っていなくても、障害者総合支援法による障害福祉サービスを受けることができます。

    64歳以下では障害者総合支援法(NMOSDは身体障害者手帳なしでもOK)、65歳以上では介護保険法を優先的に利用し、サービス内容に応じて障害者総合支援法を利用。
  • 発症受診・診断
    仕事を休んでお給料がもらえない
    傷病手当金

    会社などに勤めていて、一定基準を満たす場合、仕事を休んだ期間の合計1年半の手当が支給される。

    申請先:加入している健康保険など

    急性期治療
    生活や仕事が今まで通りできない
    障害年金

    病気のために生活や仕事が制限された時の経済的保障を受けたい場合に、一定の条件下で受けられる。

    請求先:市町村の担当窓口または年金事務所

    再発予防治療/対症療法
    お金が足りず生活に困っている
    生活困窮者自立支援制度

    生活に困った時に身近にある総合相談窓口。住宅確保給付金の支給や相談支援、就労支援などで自立した生活を目指す。

    問い合わせ先:市町村の相談窓口

    生活保護制度

    病気などで就労が難しい場合であっても、健康で文化的な最低限度の生活が保障される。

    申請先:福祉事務所の生活保護担当窓口

  • 1年間に支払った医療費が10万円以上※その年の1月1日から12月31日まで
    医療費控除

    確定申告で税金が還付される。

    申告先:税務署長

    通院の交通費も控除の対象となります。公共交通機関を利⽤できない場合はタクシー代も控除の対象となりますので、レシートを保管しておきましょう。
    体調に合わせて仕事をしたい、就職したい
    治療と仕事の両立支援

    合理的配慮を受けることで、病状の変化や薬の副作用、障害と上手く付き合いながら仕事をすることができる雇用形態や福祉就労などがある。

    就業形態 一般就労(正規雇用、非常勤雇用) 福祉就労 その他
    一般企業
    ・一般雇用
    ・障害者雇用(障害者手帳あり)
    就労移行支援事業所
    就労継続支援A型事業所
    就労継続支援B型事業所
    自営業、内職
    対応する
    法律および
    相談窓口
    労働基準法相談窓口:ハローワーク 障害者総合支援法相談窓口:市町村の障害福祉担当課 ※就労継続支援A型事業所は労働基準法適用

    ※表は横スクロールできます。

    ポイント解説

    NMOSDの治療を受けて病気と上手く付き合い、職場で合理的配慮を受けながら就労するための支援を受けることができます。
    今の業務内容や就労時間などを調整したい時は、病院のソーシャルワーカーや産業保健総合支援センターの保健師に相談しましょう。
    仕事を探したい時は、お近くのハローワークの障害者相談窓口で相談しましょう。各都道府県には難病患者が相談できる難病患者就職サポーターも配置されています。

    税金の減免や料金割引について知りたい
    身体障害者手帳による税金の減免や各種料金の割引

    自動車税、NHK受信料、高速道路、公共交通機関の利用料の減免、施設利用料の割引などが受けられる(自治体ごとの案内を参照)。

    申請先:市町村の担当窓口

    住宅ローンの支払いが心配

    高度障害(失明など)となった時は住宅ローンの減免が受けられる場合があります。

    相談先:住宅ローンを借りている金融機関

「NMOSD患者さんのお悩み別 医療・福祉制度」の全体像を見たい方は、下のボタンをクリックしてください。

全体像を画像でみる(別窓で開きます)
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こちらでご紹介している制度について、詳しく知りたい方は下のリンクをご覧ください。冊子「NMOSD患者の方のための医療・福祉制度ガイドブック」ご紹介ページへ

必要としている制度・サービスに出会って、利用するために

必要な情報を得て悩みを解決するためには、まずどんな制度があるのかを知る、どこに相談窓口があるのかを知る、その場所へ行き困っていることを言ってみる、これらが、当たり前のようですが解決する糸口となります。

適切な場所に
							行く→迷ったら困ったことを言ってみる、相談する→自分が受けられる制度やサービスを確認して活用する 適切な場所に
								行く→迷ったら困ったことを言ってみる、相談する→自分が受けられる制度やサービスを確認して活用する

最初のステップである制度を知るという点では、主治医の病院が適切な場所でもありますので、まずは困っていることを主治医や病院のソーシャルワーカーに伝えてみるということから始めてみるのもいいかもしれません。