視神経脊髄炎(NMOSD)の情報を提供し、患者さんと家族の
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提供:中外製薬株式会社
最終更新日2024/03/15
日常生活に関する支援
障害者総合支援法による障害福祉サービス
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(通称、障害者総合支援法)は、難病の方も対象としています。視神経脊髄炎(NMOSD)患者の方は身体障害者手帳を持っていなくても、同法による次の障害福祉サービス等を受けることができます。
●介護給付
居宅や通所で日常生活に必要な介護支援を行います。
訪 問 系 |
居宅介護 (ホームヘルプ) |
自宅で入浴、排せつ、食事などの介護や、調理、洗濯、掃除などの家事、生活に関する相談、助言その他の生活全般にわたる援助を行います。 |
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重度訪問介護 | 重度の肢体不自由者等であって常時介護を必要とする方に、自宅における身体介護、家事援助、生活に関する相談、助言その他の生活全般にわたる援助を行うほか、外出時における移動中の介護、入院中の意思疎通の支援を行います。 | |
同行援護 | 視覚障害により移動が著しく困難な方の外出に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他外出する際の必要な援助を行います。 | |
行動援護 | 自己判断力が制限されている方が行動するときに、危険を回避するために必要な支援、外出支援を行います。 | |
重度障害者等包括支援 | 介護の必要性がとても高い方に、居宅介護など複数のサービスを包括的に行います。 | |
日 中 活 動 系 |
短期入所 (ショートステイ) |
自宅で介護する方が病気などのときに、障害者支援施設などに短期間入所してもらい、入浴、排せつ、食事の介護などを行います。 |
療養介護 | 医療と常時介護を必要とする方に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護、日常生活の世話を行います。 | |
生活介護 | 障害者支援施設などで、常時介護を必要とする方に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護などを行うとともに、創作的活動や生産活動の機会を提供します。 | |
施 設 系 |
施設入所支援 | 施設に入所する方に、夜間や休日、入浴、排せつ、食事の介護などを行います。 |
●訓練等給付
自立した生活や就労を目指した訓練等を行います。
居 住 支 援 系 |
自立生活援助 | 一人暮らしに必要な理解力・生活力などを補うため、定期的な居宅訪問や随時の対応により、日常生活における課題を把握し、必要な支援を行います。 |
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共同生活援助 (グループホーム) |
夜間や休日、共同生活を行う住居で、相談、入浴、排せつ、食事の介護などの日常生活上の援助を行います。 | |
訓 練 系 |
自立訓練(機能訓練) | 自立した日常生活や社会生活ができるよう、一定期間、身体機能の維持、向上のために必要な訓練を行います。 |
自立訓練(生活訓練) | 自立した日常生活や社会生活ができるよう、一定期間、生活能力の維持、向上のために必要な支援、訓練を行います。 | |
宿泊型自立訓練 | 一定期間、居住の場を提供し、夜間や休日に、家事等の日常生活能力を向上させるための支援、生活相談などの必要な支援を行います。 |
※訓練等給付のうち就労を支援するためのサービスについては、こちらをご覧ください。
出典:厚生労働省ホームページ 「障害福祉サービスについて」(閲覧日:2024/02/20)(別ウィンドウで開きます)を一部改変
●相談支援
障害のある方に対する一般的な相談支援や、地域生活への移行に向けた相談支援、障害福祉サービス利用時の利用計画作成に関する相談支援などを行います。
●補装具費の支給
身体に障害のある方が日常生活を送る上で必要な身体機能を補完、代替するための用具(補装具)の購入、借り受け、修理にかかる費用の原則9割を支給します(低所得者は全額支給、一定以上所得者は支給の対象外です)。申請はお住まいの市町村の障害福祉担当窓口へご相談ください。
補装具の例:義肢、装具、座位保持装置、視覚障害者安全つえ、眼鏡(矯正眼鏡、遮光眼鏡、コンタクトレンズ、弱視眼鏡)、車いす、電動車いす、歩行器、歩行補助つえなど。
●サービス利用の流れ(介護給付の場合)
-
①申請
お住まいの市町村の障害福祉担当窓口にサービス利用の申請を行います。 -
②障害支援区分の認定
自宅への訪問調査、コンピュータによる一次判定、審査会による二次判定を経て、市町村が障害支援区分(区分1~6、区分6が支援の必要度が最も高い)を認定し、通知します。 -
③サービス等利用計画案の提出
計画案は、申請者が特定相談支援事業者と契約をして作成してもらいます(申請者自身で作成することもできます)。 -
④支給決定
市町村が計画案等をもとにサービスの種類や支給量などを決定し、申請者に受給者証を交付します。 -
⑤サービス等利用計画の提出
支給決定の内容にもとづき、特定相談支援事業者がサービス等利用計画を作成し(申請者自身で作成することもできます)、市町村に提出します。 -
⑥利用開始
サービスを利用する事業者と契約し、サービスを利用します。
●利用者負担
原則としてサービス利用料の1割を負担します。ただし、世帯の所得に応じた負担上限月額(下記の表)が設けられており、ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じません。
施設を利用した場合は、食費と光熱水費を原則実費負担しますが、低所得者は負担が軽減されます。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
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生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注)未満) | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(注)収入が概ね670万円以下の世帯が対象になります。
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
※18歳以上の方の所得を判定する世帯の範囲は、ご本人とその配偶者です。
出典:厚生労働省ホームページ(閲覧日:2024/02/20)(別ウィンドウで開きます)を一部改変
●お問合せ先
お住まいの市町村の障害福祉担当窓口
介護保険によるサービス
65歳以上で介護が必要となった方は、申請により要介護または要支援と認定されると、介護保険からサービスが受けられます。なお、障害福祉サービスを利用していた方が65歳になり、これまで受けていたサービスに相当するサービスが介護保険にある場合は、ご本人の状況を考慮しつつ、原則として介護保険のサービスを優先して利用することになります。
サービス利用にかかる自己負担は、かかった費用の1割(所得が一定以上の方は所得に応じ2割または3割)ですが、負担が高額にならないよう上限額が設けられています。
介護保険で受けられるサービスには、大きく分けて次の3種類があります。
居宅サービス | 自宅で生活する人を対象としたサービス。訪問による介護・看護・リハビリテーション等、デイサービス、ショートステイ、福祉用具のレンタル・購入費の支給、住宅改修費の支給等 |
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施設サービス | 介護保険施設に入所して提供されるサービス |
地域密着型サービス | 可能な限り住み慣れた自宅や地域で生活できるよう、身近な市町村で提供されるサービス |
●お問合せ先
地域包括支援センター、市町村の介護保険相談窓口
身体障害者手帳
身体障害者手帳は、障害のある方が身体障害者福祉法に掲げる障害程度に該当することが認められると、交付されます。
※身体障害者手帳制度では、対象となる障害が永続する(将来とも回復する可能性が極めて少ない)ことが前提ですが、視神経脊髄炎(NMOSD)患者の方も障害の状態によっては、手帳が交付される可能性があります。
●対象となる障害の種類と障害等級
対象となる障害は、視覚、聴覚、肢体不自由などの種類が定められており、障害の程度は障害の種類ごとに障害程度等級表にもとづいて決められます。身体障害者手帳は原則1級~6級に該当する方に交付されます。
●障害程度等級表
(身体障害者福祉法施行規則別表第5号「身体障害者障害程度等級表」より、視覚障害のうち視力障害にかかるものを抜粋)
1級 | 視力の良い方の眼の視力(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については、矯正視力について測ったものをいう。以下同じ。)が0.01以下のもの |
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2級 | 1視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下のもの 2視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁(眼前で検者が手を動かしたときにその動きはわかる状態)以下のもの |
3級 | 1視力の良い方の眼の視力が0.04以上0.07以下のもの(2級の2に該当するものを除く。) 2視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの |
4級 | 1視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの(3級の2に該当するものを除く。) |
5級 | 1視力の良い方の眼の視力が0.2かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの |
6級 | 視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの |
●身体障害者手帳で受けられる主な割引・減免サービス
身体障害者手帳が交付されると、各種サービス料金の割引や税金等の減免を受けることができます。
●交通機関の割引…………… | JR、有料道路、公営の公共交通機関、飛行機、タクシー、高速バス、旅客船などの運賃、料金の割引 |
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●郵便料金の割引…………… | 一定の条件を満たす郵便物などの郵便料金の割引 |
●携帯電話の割引…………… | 基本使用料等の割引 |
●公共施設の割引…………… | 美術館、博物館、動物園、映画館などの公共施設の入場料や利用料の割引 |
●税金の減免………………… | 所得税、住民税、相続税、自動車取得税、自動車税などの税金の減免 |
●NHK放送受信料の免除…… | 放送受信料の免除または半額免除 |
※障害の程度により、受けられる割引、減免の内容が異なります。詳細は、各実施主体にお問い合わせください。
※上記のほかに、自治体が独自で行っているものもありますので、お住まいの市町村の障害福祉担当窓口にお問い合わせください。
●身体障害者手帳の申請方法
※申請から手帳の交付までには1か月~2か月程度かかります。
-
①
お住まいの市町村の障害福祉担当窓口で、申請書類を入手します。 -
②
都道府県知事等の指定を受けた医師に、診断書・意見書を記入してもらいます。 -
③
顔写真、マイナンバー関連書類などと合わせて、市町村の障害福祉担当窓口に申請します。
●お問合せ先
お住まいの市町村の障害福祉担当窓口
市町村の行う福祉サービス(地域生活支援事業)
市町村では地域生活支援事業として、障害のある方が自立した日常生活や社会生活を送れるよう、地域の実情に応じた各種事業を実施しています。これらの事業は難病の方も対象になっています。詳細はお住まいの市町村の障害福祉担当窓口にお問い合わせください。
●実施事業
(下記以外にも地域の実情に合わせた各種事業が実施されています)
●日常生活用具給付等事業… | 重度障害のある方などに対し、自立生活支援用具等の日常生活用具(例:特殊寝台、入浴補助用具、点字ディスプレイなど)の給付、貸与を行います。 |
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●移動支援事業……………… | 屋外での移動が困難な方の外出のための支援を行います。 |
参考資料:週刊社会保障編集部編「平成31年版社会保障便利事典」(法研、2019年)
就労支援
●障害者総合支援法による就労支援
障害福祉サービスの次の支援が受けられます。利用するには、市町村に申請して支給決定を受けます。
- 就労継続支援(A型):
- 一般企業などですぐに就労が困難な方に、雇用契約を結んで就労の機会を提供します。業務に応じて賃金も支払われます。また知識やスキル向上のために必要な訓練も行い、能力が身につけば一般就労への移行をめざします。
- 就労継続支援(B型):
- 一般企業などでの就労が困難な方に、就労の機会を提供します。雇用契約はなく、業務に応じた工賃が支払われます。知識やスキル向上のために必要な訓練も行い、能力が身につけば一般企業への就職、A型への移行につなげます。
- 就労移行支援:
- 一般企業などへの就労が可能と見込まれる方に、一定期間(原則、2年以内)、就労に必要な知識、能力の向上のための訓練、求職活動に関する支援等を行うほか、就労後も職場に定着するために必要な相談等の支援を行います。
- 就労定着支援:
- 就労移行支援などを利用して一般企業などに雇用された方の就労の継続を目的に、就労後6か月を経過した方に対し、企業の担当者、障害福祉サービス事業者、医療機関等との連絡調整、就業に伴う日常生活や社会生活上の相談、助言などの必要な支援を行います。
- 就労選択支援(令和7年10月から実施予定):
- 就労を希望する方に対し、本人の能力や適性を客観的に評価し、就労後に配慮が必要な事項などを整理すること等によって、就労支援サービス(上記)の活用を含めた自身にとってより適切な働き方を、本人が選択できるようサポートします。
●地域障害者職業センターによる支援
公共職業安定所と密接に連携し、専門的な職業リハビリテーションを提供しているほか、障害のある方の就労に関する様々な支援を行っています。身体障害者手帳を取得していない方でも利用できます。
●障害者就業・生活支援センターによる支援
身近な地域で、就職に向けての準備、職場への適応、就業に伴う日常生活の悩みなど、就業面と生活面の一体的な相談・支援を行っています。身体障害者手帳を取得していない方でも利用できます。
●ハローワーク(公共職業安定所)による支援
難病患者就職サポーターが配置され、難病相談支援センターと連携しながら、就職を希望する難病の方に対して、症状の特性を踏まえたきめ細やかな就労支援や、在職中に難病を発症した方の雇用継続などの総合的な支援を行っています。
どのようなサポートが受けられるかわからないとき
●医療ソーシャルワーカー
病院などの保健・医療機関には、医療ソーシャルワーカーがいて、患者さんの経済的・心理的・社会的問題のサポートをしてくれます。医療費や生活費の不安、日常生活の不安、仕事や家族関係の悩みなど、患者さんの話を聞きながら、制度についての情報を提供し、必要に応じて地域の機関やサービスにつなげてくれます。病院内にある「患者相談室」「医療福祉相談室」「地域連携室」などを気軽に訪ねてみましょう。
●難病相談支援センター
難病相談支援センターは、難病の患者さん・ご家族からの相談に応じ、情報提供や助言をしてくれる支援施設で、都道府県・政令指定都市に設置されています。面談による相談だけでなく、電話での相談も可能です。また、難病に関する政策や制度、患者団体などについての情報も入手できます。
難病情報センターのホームページに各難病相談支援センターの連絡先が掲載されています。
参考資料: |
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