最終更新日2020/09/01

NMOSDとインターロイキン6(IL-6)とエンスプリング

【監修】
東北医科薬科大学 医学部 老年神経内科学教室
教授 中島 一郎 先生

NMOSDは、抗AQP4抗体によって脳や脊髄にあるアストロサイト*が壊されるために、まひなどの神経症状を起こす病気です。

*アストロサイト:中枢神経組織の細胞のひとつ。神経細胞に栄養や水を供給し、神経伝達にも関わる

エンスプリングは、脳や脊髄にあるアストロサイトという細胞を攻撃する自己抗体(抗AQP4抗体)の産生を抑えます。抗AQP4抗体は、IL-6(サイトカイン**の一種)の刺激を受けてリンパ球から増産されることがわかっています。
エンスプリングは、そのIL-6の刺激を抑える抗IL-6受容体抗体です。IL-6は免疫反応の中で多彩な働きをしているため、NMOSDの症状増悪に関わるさまざまな刺激を抑えて再発を防いでいると考えられています。

**サイトカイン:免疫反応に関わる細胞でつくられ、炎症に関与する物質

NMOSD病態へのIL-6の影響とエンスプリングの作用をイメージした図。抗AQP4抗体・エンスプリング、抗AQP4抗体を増産する、血管壁のバリアを破壊する、白血球の働きを活発にして脳脊髄内で炎症を起こす。IL-6・血管・ミクログリア・アストロサイト・白血球・オリゴデンドロサイト・マクロファージ・髄鞘・神経細胞。抗AQP4抗体がアストロサイトを破壊し、神経細胞の髄鞘なども傷害される。